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President Message

人間は、他人に頼られることで
自分の存在価値を感じる

お話しを伺ってると電気関連の知識を豊富にお持ちだと感じたのですが、稲付社長ご自身はもともと理系分野や電気分野の勉強をされていたわけではないんですよね。

はい、私は学生時代の専攻も文系で全然別の分野です。
実を言うと当社の社員も、特定分野の専門家として最初から入社してきた人は殆どいません。

当社の事業で最も長い歴史があるのは碍子の製造ですが、碍子を作っていたことで電気的特性や絶縁に関する基礎技術はもともと社内にあったんですよね。電気の基礎技術を生かしてのちに作るようになったのが、碍子と同じ絶縁部品である電流導入端子です。このように、電気関連の専門的な知識や技術は社内で継承され発展してきた経緯があります。

その一方で、セラミックス接合製品の形を作る工程になると電気の知識だけでは全然できないんです。

接合には化学の知識が必要です。物質と物質をくっつけたり化学反応の有無を調べたり、そういう分野なので電気の知識だけでは駄目なんですね。

当社の場合、電気の知識と化学反応に関する知識とが相まって製品が出来ていきます。
社内に基礎となる技術や知識はありますが、入社してくる人全員が化学反応に関して専門的な勉強をしていた人ではないのです。流路設計についても、流体力学という分野の学問はあるでそれを勉強していた社員は居るのですが、こちらもそれほど人数は多くはありません。

セラミックと金属の接合も、金属と金属の接合も、化学反応に関する知識は必要です。
それを身につけながら、かたやヒートシンクの場合は流体力学、かたや電流導入端子の場合には電気的絶縁性能に関する電気的知識が必要になる、というような感じです。

社員さんにも、自分自身の考え方や技術に対する柔軟性や、必要な知識を学び身につける意欲が必要とされているのですね。

そうですね。実際に仕事をやっていく中で、その面白みに気づいてほしいと思っています。

当社で必要とされる知識や技術はある意味特殊なので、教育機関で教えている場所や習う場所は何処にもありません。逆に言えば、当社に入社したいと考える人たちにとっては、誰かにだけ特別なアドバンテージがあるようなことも全然ない、という事なんです。

実際に仕事をやりながら一つずつ一つずつ知識や技術を自分のものにしていく、そんな感じです。

だから当社にこれまで入社してきた社員で、入社時から「この人はめちゃくちゃ知識があるな、専門家だな」という人には残念ながら今まで出会ったことがないですね。
むしろそういった知識よりも、論理的に物事を考える力さえあればなんとでもなると私は思っています。

非常に柔軟性がある社風なのですね。
入社後実際に仕事をやっていく中で、社員さん自身もこれまで気づいていなかった可能性や興味に気づいていくことも多いのでしょうか。

当社がやっている仕事って、他社になかなか真似ができない仕事なんですね。なので、やっている仕事自体に付加価値があるわけです。

真似ができない仕事だからこそ、うまく行かないことも多いしお客様から難しい要望を出されたりもするのですが、出来なかったことが出来るようになっていくと、意外と面白いなと思うんですね。

ヒートシンクの場合で言えば、お客様から「このくらい冷やしたい」と要望が出た時に、私たちが一から提案して要望通りの温度に冷やせる製品が出来上がると、結構面白かったりするわけです。

当社でしかできないことだから、お客様や他社さんにも「これ出来ませんか」「これお願いします」という感じで頼られるんです。

人間って、他人に頼られることで自分の存在価値を感じることが出てくると思うんですね。

自分に存在価値を見出すと、仕事をすること自体が「楽しい」「面白い」と思えるようになっていくし、やる気も出てくる。誰かに頼られ、必要とされている、だから「こういうことをやってみたいな」「もっと頑張ってみようかな」と思えるようになるんです。

当社に入った殆どの社員が経験値0の状態から仕事をスタートすることになるのですが、仕事をやる中で勉強を続けていくうちに、ある種、人に頼られる存在になって、それが楽しいんじゃないかなと思っています。

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